扇のお取り扱い



「手に馴染み、思いの宿る御道具として」

 弊舗の御扇子は“紙と竹”、天然素材の組み合わせで出来ています。御稽古や御舞台などでお使い頂くうちに、お客様それぞれの手に馴染んで参ります。末長くご愛用頂けますよう、お取り扱い・保管の参考にご一読下さいませ。





御扇子各部位名称とご説明



納品時には、左図を透明フィルムの“鞘(さや)”に入れております。尚、扇骨の形状は御流儀等により違いが御座います。

透明フィルムの“鞘”、“責メ紙(せめがみ)”は御扇子の保管に備え、捨てずにお取り置き頂くことをお薦め致します。
“責メ紙”は破らずに“要(かなめ)”方向に下げてお取り外し下さい。

銀色の“元巻(もとまき)は御扇子のスタイルをきめる為、御仕立て時に必要な物です。
“扇骨(せんこつ)”(竹材部分)の一番外側、表裏2本を“親骨(おやぼね)”、中の竹材を“中骨(なかぼね)”と呼んでおります。




お使い頂くにあたり

御扇子は地紙・扇骨ともに水気を嫌います。変形や破れ、開閉動作の不具合に繋がりますので、湿気や水濡れは避けて頂きます様、十分御注意下さい。御舞台上、手汗等にて扇面部分に 色落ちや癒着が起きる場合がございますが、その場合の交換・保証等は致しかねますので御了承下さいませ。

竹材の性質上、手汗等により扇骨の染め色が降りる(染まる)事が御座います。ご注意下さい。特に御召物(帯や袴など)とのこすれにはお気を付け願います。

物を叩いたり、“張り扇”の代わりにお使い頂きます事は破損や事故の原因になりますのでおやめ下さい。

開閉は出来るだけ両手で丁寧になさいます事をお薦めいたします。片手での開閉や御扇子を振って広げられますことは破損の原因になる恐れが御座います。特に、新しい御扇子の場合はリスクが増しますので御注意下さい。詳しくは『開閉につきまして〜御参考に〜』をご参照下さい。

要のお直しは有償にて承っております。
竹材の要穴に異物を入れられたり、接着なさいますと竹材が劣化し御直しが不可能になる場合がございます。また、御扇子の状態によりましては御直しを承りかねます場合があることを御了承ください。詳しくは『修繕等につきまして』をご参照下さい。

御扇子は広げた状態で放置なさいますと御仕立が狂うことが御座いますので御注意下さい。
御舞台でお使いになります御扇子はお飾りにならない事をお奨め致します。御扇子の閉じた姿が崩れ、開閉動作に不具合が生じる可能性が御座います。特に、新しい御扇子の場合はリスクが増しますので御注意ください。

竹材からトゲが出ました場合は、目の細かいサンドペーパー等で丁寧に磨き落してお使い下さい。自然素材ですので徐々に劣化してまいります。お怪我なさらないよう十分お気を付け下さいませ。




保管につきまして

御扇子は御仕立時のスタイルを保持するために、“責メ紙”を上げ、“鞘”に入れ、高温多湿・直射日光を避けた状態で保管下さい。

地紙・竹材部分ともにゴム製品との接触状態での保管は避けて下さい。長時間密着しておりますと御扇子に貼りつき、破損の原因になります。

上記のように保管頂きましても、本金箔でない通常の金箔及び銀箔は長年の間に箔の銀成分が酸化し黒ずんでまいります。御了承下さい。




開閉につきまして 〜ご参考に〜
!開閉につきましては所作等によって違います。正しくは夫々御師事の先生方にお尋ね下さいませ!


まず、両手で右図のように御持ち下さい。

御扇子を右手で御持ち頂き、左手を添えて頂きます。
扇開閉(持ち方)図
左手を手前に引くように拡げてください。

逆方向にには広がりません。無理に拡げますと破損の原因になります。
扇開閉(広げ方)
閉じる時は右図のように、最後の一折を軽く持ち上げる様にして畳みます。

折り目が逆に折れることを防ぐため、最後の一折は左右両手の内に親骨だけでなく中骨を何枚か畳み込んだ位置でなさいます事をお奨め致します。

左右の端で無く、最後は中央部分で折りたたみ下さい
扇開閉(閉じ方)


   
 


 御扇子はお使い頂く内に手に馴染み、開閉も滑らかになります。新しくお求め頂きました最初の内は開閉の動作を両手で、出来るだけ丁寧に繰り返され、地紙・竹材に良いクセ付けをなさいます事をお薦めいたします。


 
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