修繕等につきまして



「特別な御品を再び御舞台で」

 御扇子は お稽古・御舞台での繰り返しの所作で段々に消耗して参ります。“要”が外れたり、折り目が破れたり、“扇骨”が折れたり。そのままではお使い頂けなくなった扇は昔、表装され、屏風や御軸などとして“しつらい”の御道具になさいますことも多かったように聞きます。
 近年では「代々の御道具や御記念お誂えの御品を御舞台で使いたい」という御声も伺います。出来る限り御要望にお応えさせて頂きたく存じますが、万全を尽くしても修繕作業には危険性がございます。破損・消耗の状態は御品物ごと千差万別で、作業の進捗と共に判明する劣化等もございます。
 代わるものの無い御品をお送り頂きます前に、下記を御一読賜り“リスク”をご承知置き下さいませ。何卒、宜しくお願い申しあげます。




 お直し・複製を承ります場合、その御品物に使用されております材料(竹材・要材・紙材等)の準備が必要となります。材料は扇店により仕様(形状・寸法等)が異なりますので、まずはその御品物を御求め(製造)になられた扇店に御依頼頂く必要がございます。

 お預りの御品物の取り扱いには細心の注意を払い作業を致しますが、破損・キズ・仕立のクルイ等が残る可能性がございます。特に古い御品物はそのリスクが高くなります。また、破損等の拡大を防ぐ為、補修作業等を中途で止めざるを得ない場合もございます。申し訳ございませんが何れの場合も弊舗にては、お取替え・弁償等の補償を致しておりません。ご返却運送中の事故につきましては運送会社(ヤマト運輸宅急便)の保証範囲内のご対応となります。

以下の場合は複製・御直しをお断り申し上げます事がございます。また、その場合のご返送料もお客様の御負担となります。

弊舗にて弊舗製である確認が出来ない御品物。

弊舗製であっても材料の手配がつきかねます御品物。

上記作業上のリスクを御了承頂けない場合。

御品物の状態から、作業に相当の困難が見込まれる場合。

一度に大量の御依頼の場合。




 費用・作業日数に関しましては御品物・作業内容により様々でございます。御品物を確認させて頂き、凡その処お伝え申し上げます。それぞれの目安は以下の通りです。

“要打ち替え”のみ ※扇の状態により変わります。上等のお品物や古い御品物は高くなります。
費用11,000円以上
(10%消費税込・返送送料別途)
 作業日数 四週間程度

“単純な御仕立て替え(扇骨総取替え)”※補彩等は別途
費用33,000円程度〜  作業日数 二か月程度〜

※複製・御直しの作業は段取り上、常の御品物を承ります時より余計に時間を要します点、御含み置き下さいませ。

 修繕お代金の大幅な改定につきまして
   近年、インターネット等を活用した、中古品の売買が盛んになっております。その影響も在ってか、お稽古扇をはじめとする、通常商品の御用命が減少しております。多くの伝統工芸士が生活を掛けたお仕事をさせて頂いております能の扇では、ほぼ流通コストから設定される中古品価格とは勝負にならない実情がございます。
 本来、親から子へ、子から孫へと大切な御道具としてお伝えいただくことは、ものづくりに携わるものとして、この上なく有難いことでございます。少しの修繕で、再びお舞台でお使い頂く事には、是非ともご対応をさせて頂きたく存じております。しかし、そのことが携わる職人の仕事を奪い、生産体制が維持できなくなる事につながれば本末転倒でございます。
 将来に能の扇づくりを伝えて行く為に、何卒ご理解賜ります様、お願い申し上げます。
 


御注意!!

 御扇子の開閉具合(開いた時の留まり具合や閉じた姿、開閉の滑らかさ等)は 地紙・扇骨・要 のバランスによって保たれておりますので、要をキツく締める等の部分補修では回復しない場合がございます。
 また、“お直し”は
新品同様の状態を回復するものではございません。御了承下さいませ。

御直しは扇店にお任せ下さい。お客様ご自身での補修作業は扇店での御直しを困難にする場合がございます。ボンド・セロハンテープ等での接着、要穴への異物挿入は御避け下さい。またゴム等は長時間の接触により、癒着・焼け・劣化を招く恐れがございます。いずれの場合も修復が出来無くなります。

以上、大切な御品物をお預り致します上で、お客様にも宜しく御理解の程をお願い申し上げます。



 
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